旧天野傅長宅は、山中湖村平野地区に残る旧家でした。古民家の保存と活用のために「文学の森公園」内に移築したものです。 この建物は、富士北麓の典型的な農家のスタイルをつたえており、築後150年以上といわれています。延べ床面積は、158.78平方メートル(約8坪)で、入母屋風甲(かぶと)づくりの萱(かや)葺き屋根でしたが、移築に際し銅板葺きに改修しました。 屋根は、30年から50年ごとに葺(ふ)き替えが必要でしたので、当時は萱を村人みんなで共有林から刈り取り、葺き替えの作業をしていました。 湿度の高い土地柄、床が高く板壁であることも特徴です。 ケヤキの大黒・小黒の柱やモミ・バラモミの梁(はり)などは、民家のもつ温もりと安らぎが感じられます。 当時、土間は豆打ちや、あわ・ひえ・もろこしなどの取り入れにも利用され、いわゆる雑穀置き場や作業場になりました。大きな屋根裏は養室(カイコ)として使われました。 移築後は、「デエドコ」「カッテ」「ヒジロ」「コマ」を展示室に、「オクのデエサ」は富安風生の書斎を演出し、「マエデエア」「ザシキ」は基本的に当時の状態で復元しました。